※この記事ではネタバレがあります。
映画『かがみの孤城』のラストシーン。
ハワイの学校から雪科第五中に転校してきたと思われるリオンが、登校初日の通学路でこころを見つけて、すぐさま駆け寄り話しかけるシーンが流れました。
このシーンを見て、「あれ?リオンって記憶残ってるの?」「オオカミさまが善処してくれたの?」と疑問に思っている方も多いと思います。
そこで今回は、リオンの記憶は残っているのかについて、原作の内容も含めて考察していきたいと思います。
【かがみの孤城】リオンの記憶は残っているのか?
大前提:映画と原作で描かれ方が違う
まず大前提ですが、あのラストシーンの描かれ方は、映画と小説(原作)で結構違います。
- 映画:リオンは完全にこころの記憶がある感じで駆け寄っていた。こころにはほとんど記憶がない感じだった。
- 原作:リオンもこころも第六感のようなものでお互いを感じ取っていた感じ。
映画と原作には上記のような違いがあります。
ちょっと説明下手なので、気になる方は原作をご覧ください。
リオンがオオカミさまに頼んだ事とは?
城から現実に戻ってくる最後の時、リオンがオオカミさまになんとお願いしたのか、皆さんは覚えているでしょうか?
覚えていない方のために、その部分のセリフを一部引用しておきます。
オレ、覚えていたい。みんなのことと、姉ちゃんのこと。
かがみの孤城
そして、このお願いに対して、オオカミさまは少し間をおいて以下のように答えています。
善処する。
かがみの孤城
この物語最大の名シーンですね。
映画版では「善処する」の対象がリオンのみになっている
さて、上記の会話をシンプルに受け取ると、リオンの記憶だけは、オオカミさまが善処してくれたから残っているという風に考えることができます。
そして、映画版では、このシンプルな受け取り方のまま、物語がまとめられていました。
つまり、オオカミさまが言った「善処する」の対象はリオンのみというわけです。
一方で、原作のニュアンスでは「善処する」の対象が7人全員になっているような気がします。
原作では「善処する」の対象が7人全員?
先ほども述べた通り、原作ではリオンもこころも記憶が残っているのかは曖昧、第六感のようなものでお互いを感じ取れる程度のものになっていました。
ということは、オオカミさまは、リオンのお願いを善処してくれなかったのか?
おそらくですが、それは考えにくいですよね。
ということは、オオカミさまは7人が第六感のようなものでお互いを感じ取れる程度に善処し、と考えるのが自然なのではないかと私は考えます。
ここに関してはあくまで私の考察なので、人によって捉え方は結構違うと思います。
結論:読者・鑑賞者の想像におまかせ
結論は上記の通り「読者・鑑賞者の想像におまかせ」ということだと思います。(笑)
小説でよくある終わらせ方ですよね。
まーこの余白のようなもの、あえて描きすぎず、読者の想像力を掻き立てるような構成が小説の魅力でもあるのですが。
そのため、皆さんも、ぜひ小説を読んで自分の想像を膨らませてみてください。
それから、映画版ではアキ(喜多嶋先生)も記憶が残っているかのような描写が見られましたよね。
この疑問については、以下の記事で考察しています。
アキ(喜多嶋先生)は記憶があるのか?
今回はこれで以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。